国が最大300万円まで支援してくれる。火災保険・地震保険以外の公的補償制度について

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自然災害からの生活再建

地球の温暖化にともなう気候変動の影響でしょうか。近年、体験したことがない台風による大規模災害が多発しております。このような自然災害によりお住まいの建物が被害を受けたときは火災保険・地震保険で再建費用をカバーします。

社会補償制度が進んでいる日本において、国から受けられる支援制度があります。本日はその支援制度について確認したいと思います。最後までお読みいただけると幸いです。

被災者再建支援法という法律が阪神・淡路大震災後にできた

1995年1月17日、兵庫県の神戸市を中心に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災。当時の地震保険の加入率はとても低く、地震による火災を補償する地震保険の世帯加入率はまだ10%程度でした。

多くの建物が崩れたり地震よる火災で延焼いたしました。住宅ローン向けの火災保険に加入しても、地震保険を付帯していなければ、住宅ローンだけが残るという事態におちいったのです。

地震が起きないといわれていた関西地方の地震。当然、地震に対する備えで保険に加入する意識は低かったのです。

そのような中、阪神・淡路大震災の被災者住民の一部が、火災保険の契約時に代理店から地震保険への加入説明が十分に無かったと、損保会社に対して訴訟を起こすような事態も発生しました。

その後、損保協会が先頭になって地震保険の加入促進活動が行なわれ、地震保険へ加入されるかたは右肩上がりに伸びていきました。

多くの被災者が地震保険に加入していなかったことで、その後困難な生活を強いられました。

お住まいの建物の再建に公助の観点から何かできないか、市民活動も活発に行なわれ、1998年4月、国会に“自立した生活を開始するための支援”を目的とした法案が提出、成立いたしました。

その法律が「被災者再建支援法」なのです。

 

本当に地震保険の加入率って高くなってきましたね!

備えあれば憂いなしよ~♪

 

被災者再建支援法について

被災者生活支援法は以下のことを目的として制定された法律です。まずは制度の趣旨について確認します。

被災者再建支援法の趣旨について

自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、 都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給することにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的とする。

近年発生している豪雨による災害や地震発生に伴う自然災害を起因とする被災したかたの生活再建の支援金となります。

支援金が支払われる自然災害の規模について

自然災害により、10世帯以上の住宅に全壊被害が発生した市町村等。

支援金の支払い対象となる世帯について

自然災害により次の条件に当てはまる世帯が対象になります。

  • 住宅が「全壊」した世帯
  • 住宅が半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
  • 災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
    住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯
    (大規模半壊世帯)

お住まいの建物が使えなくなる状態に陥った世帯が対象と考えていただいていいかもしれませんね。

支援金の支給金額について

支給金額は住宅の被害状況と、お住まいの建物を今後どのようにするか、それぞれに対して支払われます。

基礎支援金(住宅の被害程度に応じて支給する支援金)

  • 全壊:100万円の支給
  • 解体:100万円の支給
  • 長期避難:100万円の支給
  • 大規模半壊:50万円の支給

被害の程度に応じていずれかが支給されます。

加算支援金(住宅の再建方法に応じて支給する支援金)

  • 建築・購入:200万円の支給
  • 補修:100万円の支給
  • 賃貸:50万円の支給(公営住宅は除く)

今後の生活再建に向けた取り組みによっていずれかが支給されます。

 

基礎支援金と加算支援金の合算が支払われるのですね!

そうよ~。合計が300万円まで支払われるのよ~

 

被災者再建支援法に基づく支援金の支払い実績

この数年間に発生した災害でどれほどの支援金が支払われたか確認してみたいと思います。

平成29年7月九州北部豪雨による災害(7月5日)

  • 福岡県:441世帯・・・5億5千万円
  • 大分県:63世帯・・・7千万円

平成29年7月22日からの大雨による災害(7月22日)

  • 秋田県:45世帯・・・5千万円

平成29年台風第18号による災害(9月17日)

  • 大分県:29世帯・・・4千万円

平成29年台風第21号による災害(10月22日)

  • 三重県:21世帯・・・3千万円

平成30年島根県西部地震(4月9日)

  • 鳥取県:23世帯・・・3千万円

平成30年7月豪雨による災害(7月5日から8日)

  • 京都府:9世帯・・・0.8千万円
  • 兵庫県:1世帯・・・0.1千万円
  • 岡山県:5,574世帯・・・66億6千万円
  • 広島県:1,583世帯・・・15億9千万円
  • 愛媛県:1,409世帯・・・12億9千万円
  • 福岡県:21世帯・・・1千万円
  • 島根県:115世帯・・・1億3千万円
  • 山口県:18世帯・・・1千万円
  • 高知県:14世帯・・・1千万円
  • 佐賀県:2世帯・・・0.2千万円
  • 岐阜県:50世帯・・・5千万円

平成30年北海道胆振東部地震(9月6日)

  • 北海道:226世帯・・・1億9千万円

平成30年7月豪雨では川の堤防が決壊して、あたり一面が水浸しになった映像がまだ記憶に新しいところです。5,000世帯以上のかたが、今まで使っていたお住まいの建物を使えなくなったということですね。

最後に

本記事では、法律に基づく支援金制度についてとりあげてみました。保険の加入は

  • どんな危険を保険会社に転嫁するか
  • どんな危険を自分で負うか

経済的なリスクを保険会社に転嫁する範囲を決めていく必要があります。まさに、自助と呼ばれるものです。一方、さまざまな補償に加入していくなかで、このような公助があるということも知っておいたほうが万が一の備えがしやすくなると思います。

自然災害だけはどのようにしても逃れることができません。

火災保険・地震保険への加入が最大の備えになりますが、万が一のとき、このような支援があることも頭の片隅に入れておけば安心ですよね。また、各自治体の見舞金支給などの制度もあります。

詳しくはお住まいの自治体ホームページなどで確認ください。

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著者の情報

日吉 浩之
日吉 浩之自動車保険の専門家
国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。

カテゴリー:火災保険,編集長コラム