自動車保険の契約変更が生じたら保険会社や代理店へ連絡を忘れずに!

投稿日:2017年12月3日

自動車保険の異動

自動車保険の手続きは更新期間中、事故などもなく何もなければ年に1度(3年契約の場合は3年に1度)取扱代理店もしくは保険会社と更新手続きをするだけでいいのですが、お車を買い替えられたり、お車を手放すことになったり、またそれぞれのライフステージにおいて様々な変更事項があれば別途、変更手続きがその都度必要になります。これを「自動車保険の異動手続き」と呼んでいます。

保険の更新手続きの連絡については取扱代理店や保険会社から保険期間の満期1ヶ月前位に連絡があり更新手続きをします。

ですが、お客さまやお車などに変更事項が発生した場合はお客さま自らが取扱代理店や保険会社へ連絡をして、自動車保険契約内容変更依頼書を提出のうえ、契約内容の変更手続きをしてもらう必要があります。今はインターネットからできる会社も増えています。

連絡をされず変更手続きがされないままでいると、事故にあった際に保険金がお支払できなかったり、保険契約そのものが解除されたり、等級が継承できなかったりと、お客さまに不利益が発生する可能性がありますので通知漏れのないよう注意が必要です。

今回はそういったお客さまから取扱代理店や保険会社へ連絡をして変更手続きをする必要があるケース等について様々な具体例をあげてお話させていただければと思います。

最初にお客さまの「告知義務」と「通知義務」について説明したいと思います。

生命保険を締結する際にもこのような用語について耳にされたことがあるのではないでしょうか?

簡単に言いますと、告知義務は契約をする時にお客さまからお申し出いただく必要事項のことで、通知義務は契約後に生じた変更事項についてお客さまからお申し出いただく事項のことです。それでは詳しくお話していきましょう。

自動車保険にも告知義務があるのよ~

 

自動車保険の契約時に告知義務がある事項について

自動車保険を契約締結される時に、お客さまは保険会社に告知事項について事実を正確にお申し出いただく義務があります。告知事項については保険契約申込書などにおいて告知内容に誤りがないか十分にご注意ください。

契約締結時にお申し出いただいた内容が万が一、事実と相違している場合は、事故の際に保険金をお支払できなかったり、保険契約が解除されてしまったりします。主な告知事項は以下のような事項になります。

  • 記名被保険者・・・前回の記事でもお話させていただきましたように原則、契約の自動車を主に使用される方を記名被保険者とします。補償の対象となる方の範囲を決めるための重要事項になります。

  • 記名被保険者の生年月日・・・記名被保険者の方の生年月日も必ずお知らせください。

こちらも前回の記事でお話させていただきましたように記名被保険者の年齢によって保険料区分に影響します。

  • 記名被保険者の運転免許証の色・・・ゴールドの場合は割引があります。

  • ご契約自動車の使用目的・・・業務使用、通勤・通学使用、日常・レジャー使用のいずれかの使用目的を設定します。使用目的により保険料が異なります。

  • 前契約の有無、事故の有無・件数・・・こちらも前回の記事でお話させていただきました。契約期間の初日から過去13カ月以内に自動車保険契約が締結されていたかどうか?前契約の保険会社は?その契約期間中に事故がなかったかどうか?などお知らせください。

等級および事故有係数適用期間を設定する重要な要素となります。

契約するときにきちんと伝えないと、事故を起こしたときに困ってしまいますね!

 

自動車保険の契約中に通知する義務がある事項について

契約者または被保険者の皆さんには、通知事項に変更が生じた場合には遅滞なく取扱代理店や保険会社へ連絡していただく義務があります。変更の通知漏れがないよう十分にご注意ください。

万が一、通知事項の変更について遅滞なく連絡をしなかった場合または変更手続き(変更手続き書類の提出および追加保険料のお支払いなど)がいただけない場合は、事故の際に保険金をお支払することができない、

保険契約が解除されたりすることがありますので注意ください。

それではどんな場合に通知する必要があるのか、主な通知事項などについて説明したいと思います。

ご契約者または記名被保険者の住所、氏名(名称)変更

引っ越しをされた場合など住所変更があった場合や、ご結婚などでお名前の改姓があった場合等はお客さま自ら、通知していただき変更手続きが必要となります。

保険会社からお客様あてに自動車保険契約書(証券)や満期案内など重要な文書が郵送されますので、住所やお名前の変更があった時点で必ず取扱代理店もしくは保険会社へ連絡して変更手続きをしましょう。

それでも、年間何百件という数の証券などが宛先不明などで保険会社に返送されていたかと思います。年度が変わる引っ越しシーズンの3~4月にかけては特に多かったように思います。

記名被保険者変更

記名被保険者は主に契約の自動車を運転する人でしたね。契約している記名被保険者名が変わる場合には変更手続きが必要になります。

前回の記事でもお話しましたように、親から子供、ご主人から奥様へ記名被保険者名を変更する場合は通知して変更手続きをします。

その際、記名被保険者変更後の方の生年月日、運転免許証の色、次回免許更新年月もあわせてお申し出ください。記名被保険者の変更により年齢によって保険料の変動が発生する場合があります。

保険料が返金されるケースもあれば追加保険料をお支払いしないといけないケースもあるかもしれません。追加保険料がある場合は変更と同時にお支払手続きも必要になります。

なお、記名被保険者名が個人から法人へもしくは法人から個人へ変更の場合も変更手続きが必要になります。

ご契約の自動車の登録番号、用途車種、使用目的の変更

  • 登録番号・・・お車は変わらなくても使用される本拠地やナンバー変更される場合、通知ください。

  • 用途車種・・・車検証上に記載されている用途車種が変更される場合、通知ください。

  • 使用目的・・・使用目的の区分(業務使用、通勤・通学使用、日常・レジャー使用)

  が変更になった場合、通知ください。

ご契約の自動車を譲渡する場合

現在、契約しているお車を譲渡、つまり誰かにお車を譲る場合はお車を手放すことになりますので自動車保険をかける目的自体がなくなりますので通知が必要です。

自動車を譲渡し、自動車保険も解約する場合の手続きについては後ほど詳しくお話します。現在、乗っているお車を譲渡し、新しく自動車を買い替える場合の手続きについては次に説明します。

買い替えなどによりご契約の自動車が変更となる場合

現在、契約しているお車を手放し(譲渡・廃車など)、買い替えなどにより新しく自動車を取得した場合、保険期間中であっても必ず変更手続きが必要になります。この変更手続きを「車両入替」(しゃりょういれかえ)と呼んでいます。

車両入替の連絡、変更手続きは忘れないよう、必ず行っていただきたいので少し詳しくお話しますね。新しくお車を取得される場合には様々な理由があると思います。

例えば、次の車検が到来するので新しく車を買い替えたい、事故に遭遇し大破してしまい廃車になってしまったので車を買い替えたい、親族、親戚、他人に譲渡して新しく車を買い替えたいなど、あると思います。新しくお車を取得された場合には、取扱代理店や保険会社に連絡をして車両入替の手続きを行いましょう。

その際、車両入替後の車検証をご準備ください。車両入替をすることにより、料率クラスや車両保険金額が変更(増額・減額)されることがありますので、保険料が返金されるケースもあれば追加保険料をお支払いしないといけないケースもあります。

うっかりしていて車両入替の連絡、変更手続きをしていなかった場合ですが、1ヶ月間ほど、猶予がありますので30日以内に手続きをすれば大丈夫です。

万が一、変更手続きをされていないとどうなってしまうか??について、私が経験した具体例をお話ししながら説明したいと思います。

主に自動車を運転する方や自動車の情報が変ったらきちんと連絡をしてくださいね~

 

<車両入替の手続きを失念した具体例>

保険期間中に新しくお車を買い替えたので、お客さまから取扱代理店へ車両入替の連絡があり車検証の写しも提出したにも関わらず、取扱代理店にて変更手続きを失念してしまったために車両入替の手続きがされず。

車を買い替えてから数か月後、そのお客さまは事故に遭遇し、保険会社に事故連絡したものの契約上、登録されている車が違うとのことで事故受付をしてもらえなかったというケースです。

このケース、結果的には取扱代理店によるミスだったためお客さまは救済されましたが、入替後のお車への変更手続きや追加保険料のお支払が完了するまでは保険金もお支払することができませんでした。

もちろんこのケースはお客さまには非はないのですが、車両入替に限らず変更手続きが完了されれば、必ず保険会社から変更通知が届きますので次の更新手続きまで変更通知は必ず控えておきましょう。

もしこの変更通知が届かないようであれば変更手続きがされていない可能性がありますので保険会社に問い合わせしてみてください。

万が一、車両が変わったにもかかわらずお客さまが連絡をせずそのままにしていた場合はお客さまからの通知がない以上、取扱代理店も保険会社も対応することができませんので事故に遭遇したとしても保険金はお支払してもらえませんのでご注意ください。

もう一つ例を紹介します。以下の例はマレなケースではありますが注意が必要なのでお話します。

<契約継続手続き後に車両入替に具体例>

  • 保険期間:2017年1月1日~2018年1月1日
  • 車両入替発生日:2017年12月1日

このようなケースで次回2018年1月1日~2019年1月1日までの保険更新手続きを車両入替が発生する2017年12月1日以前にすでに手続きをしてしまった場合は現契約と次契約のいずれも車両入替の手続きが必要になります。

特に次契約はすでに前のお車での証券が作成されている可能性もありますので漏れのないよう手続きしてもらいましょう。

  • ・現契約→2017年12月1日付で車両入替の変更手続きが必要
  • ・次契約→2017年1月1日始期から車両入替の変更手続きが必要

ちなみに車両入替そのものができないケースもあります。

例えば、自家用普通自動車から二輪車への車両入替など、用途車種によっては入替できない場合がありますので取扱代理店や保険会社に確認ください。

また以前の記事でお話させていただいたかと思いますが、所有する車両間での車両入替はできませんのでご注意ください。

<車を2台以上保有しているときの車両入替>

 ・2台所有しているが、5等級の自動車と20等級の自動車を入替手続きしたい。

  →この場合、車両入替はできません。ただし前回の記事でも紹介させていただきましたように新たに車を取得されて新車のお車(7(S)等級)と20等級のお車の車両入替をすることは可能です。

保険金額の増額や特約を付帯するなど、契約条件の変更を希望される場合

保険期間中、増額や特約を付帯するなど契約条件の変更を希望される場合も通知連絡ください。

例えば、

  • 車両保険を付けていないので付保したい
  • 人身傷害保険3,000万円から5,000万円に増額したい
  • 対物賠償保険5,000万円から無制限に変更したい
  • 子供が自転車に乗ることになったので個人賠償責任の特約を付保したい
  • 万が一に備え、弁護士費用特約を付保したい

などの場合、取扱代理店や保険会社へご相談の上、変更手続きと追加保険料をお支払する手続きをします。

「運転者限定特約」により限定した範囲外の方がご契約の自動車を運転する場合

以前、お話させていただきました「本人・配偶者限定」「家族限定」という特約について覚えていらっしゃいますか?運転する方を限定することによって保険料が割引される特約でしたね。

この限定特約により限定した範囲外の方が契約しているお車を運転することになった場合、通知が必要になります。具体例をお話しましょう。

<運転者の範囲が変わる具体例>

当初、契約者・記名被保険者であるご主人と奥様しか契約しているお車を運転しないので「本人・配偶者限定」を付けていましたが、同居の大学生の娘さんもそのお車を運転することになったという場合は、

「本人・配偶者限定」から「家族限定」

に変更手続き・追加保険料をお支払いする手続きをしないと万が一、娘さんが運転して事故をした場合、保険金はお支払してもらえませんので変更漏れのないよう注意が必要です。

ちなみに、以下のケースも問い合わせも多く、少々複雑なので説明します。

上記のケースで「大学生の娘さんが別居の未婚だったらどうなるの?」という問い合わせです。

まず「本人・配偶者限定」のままですと別居の娘さんが運転して事故をした場合、やはり保険金はお支払してもらえません。

「家族限定」に変更手続きしますと、別居の娘さんが運転されて事故をした場合でも保険金のお支払対象になりますので、「家族限定」に変更手続き・追加保険料をお支払する必要があります。

別居の既婚のお子様、一度でもご結婚されていた方はそもそも対象ではありませんのでご注意ください。

ご主人、奥様、同居のお子様が契約しているお車を運転するため「家族限定」を付保していたが、お子様がご結婚されて生計が別になる場合で他にも同居のご家族が運転されない場合は、逆に「家族限定」から「本人・配偶者限定」へと変更し保険料を少しでも安くなるよう変更お手続きください。

運転者年齢条件を満たさない方がご契約の自動車を運転する場合

この変更手続きも漏れのないよう注意いただきたい変更事項です。

<具体例>

現契約の運転者年齢条件:35歳以上補償

同居している大学を卒業した22歳のお子様も契約しているお車を運転することになった場合→21歳以上補償へ変更手続き・追加保険料のお支払が必要です。

現契約の運転者年齢条件:35歳以上補償

 別居の未婚の大学生21歳のお子様が帰省して、契約しているお車を運転する場合、年齢条件は適用されないので変更手続きをする必要はありません。

お友達や別居の親戚がこのお車を運転する場合も年齢条件は適用されません。ポイントは運転する人が同居の親族かどうかです。

春先はお子さまの関係で年齢条件の変更が増えるわよ~

 

ご契約者自ら所有し、かつ使用する自動車の総契約台数が10台以上となる場合

こちらは前回の記事でもお話しました。

9台以下であればノンフリート契約、10台以上であればフリート契約となり適用される割引が異なってきますので10台以上になった場合には取扱代理店もしくは保険会社に通知しフリート契約へ移行の手続きをします。

その他

その他、以下のような場合も通知していただき変更手続きをします。

・車両保険の適用がある場合で、自動車の改造、付属品の装着・取り外しなどにより契約しているお車の自動車の価額が変わる場合。

車両保険金額が変わりますので通知して変更手続き・追加保険料のお支払手続きをしましょう。

フリートって船の船団のことですよね!

 

自動車保険の契約を解約される場合

続きまして、何らかの理由で自動車保険の契約を解約する場合の注意点などについてお話したいと思います。

保険期間中、お客さまの契約を解約する場合は、ただちに取扱代理店や保険会社までご連絡ください。解約日はあくまでお客さまが取扱代理店や保険会社に解約を申し出された日からとなります。

ご契約の自動車を廃車した場合なども解約日は廃車した日ではなくお申し出以降になります。解約の申し出の通知が遅れますと、解約返還保険料が少なくなってしまう等、お客さまに不利益が生じますのでご注意ください。

といいますのも、解約保険料は月割計算により算出し既に経過した期間に対する保険料と、既にお支払いただいた保険料との差額を返還または請求されることになります。

少し分かりにくいと思いますので具体例をお話しましょう。

<具体例>

  • 保険期間:2017年2月1日~2018年2月1日の1年間
  • 保険料支払方法:一括払い
  • 年間保険料:57,000円
  • 解約日(解約申出日):2017年12月1日

この場合、保険満期日まで2カ月を残して解約ということになりますので、12分の2カ月分が解約保険料として返還されます。

57,000円÷12カ月=4,750円 

4,750円×2カ月=9,500円 がお客さまに返還されます。

しかし、解約日(解約申出日)が2017年12月2日以降になりますと、月割計算になりますので、解約保険料は4,750円返還となります。

さらに解約日(解約申出日)が2018年1月1日であれば、解約保険料は4,750円の返還、2018年1月2日以降であれば解約保険料は0円となります。

上記の場合は一括払のケースですが、口座振替払、クレジットカード払等で分割払いにされている場合、解約手続きを行ったはずなのに口座やクレジットカードで引き落としがされてしまったというケースがあります。少々ややこしいので具体例でお話しましょう。

<具体例>

解約手続きを行った時点で未払込みの保険料がある場合

お支払いいただくべき保険料に未払込み分がある場合には解約後に保険料が請求される場合があります。

口座振替払いの場合、保険始期の翌月に引き落としがかかります。始期から1カ月後に第1回目が引き落としされるというのがポイントになります。通常、後払いと呼んでいます。

  • 保険期間:2017年1月1日~2018年1月1日の1年間
  • 保険料支払方法:口座振替12回分割払
  • 解約日:2017年5月20日

<保険料引き落としスケジュール>

  • 2月26日(第1回→1月分)
  • 3月26日(第2回→2月分)
  • 4月26日(第3回→3月分)
  • 5月26日(第4回→4月分)
  • 6月26日(第5回→5月分)

この場合、5月分まで保険料をいただく必要がありますので6月26日の口座引き落としの請求がかかります。5月20日付で解約したはずなのに6月も引き落としされるのはなぜ?と思われた場合はこのようなスケジュールになっているからと思ってください。

保険料をお支払いただけない場合は、解約ではなく解除となります。

解除の場合は、現在の等級を新たな契約に引き継ぐことができなくなります。もし20等級のお客さまが解除となった場合には6(S)からスタートとなります。

また、既に新たに契約をしている場合、新たな契約の等級を訂正し、差額となる保険料を請求されますのでご注意ください。

保険料請求の停止が間に合わなかった場合

解約日はきちんと申し出をしたにも係わらず、例えば解約書類の手続きに不備があり手続きが遅れるなど金融機関の締め切りに間に合わなかった場合、口座振替・クレジットカード請求の停止が間に合わず、お支払いただくべき保険料より多く引き落としされることがあります。その場合は後日保険料が返還されますのでご安心ください。

ただ、あらかじめ解約する日が分かっているのであれば早めに通知していただき手続きを早めにしていただくことで保険料請求の停止が間に合いますので解約される場合はただちに取扱代理店や保険会社に連絡してください。

他の保険会社または他の代理店に切り替える場合

次に他の保険会社や他の代理店に保険を切り替えるために解約手続きをする場合の注意点についてお話しましょう。

次の更改手続き時に他の保険会社へ切り替える場合は現契約については解約せず満期を待てばよいのですが、保険期間中に他の保険会社へ切り替える場合は必ず現契約の解約手続きを行ってから他社へ切り替えてください。

現契約の解約日と他社で新たに契約になる自動車保険の契約期間の初日を同じ日にされるように手続きをしてもらいます。

万が一、前契約の解約日の翌日から起算して8日以降になる場合は、前契約の等級を新たな契約に引き継ぐことができないことがありますのでご注意ください。

<具体例>

  • 前契約の保険期間:2017年1月1日~2018年1月1日
  • 等級:20等級

上記のようなケースでお客さまから2017年11月30日に、次回更新時には契約しないと申し出があったとします。しかし、実際は満期前の2017年12月1日始期で1年間、他社で契約をしたとします。

前契約の取扱代理店は次回(2018年1月1日~)更新しないとの連絡を受けただけですので前契約での解約の手続きはしていません。

この場合、前契約の2017年12月1日付で解約手続きを行っていないと20等級を継承できない可能性があります。

ですからこの場合は、次回更新手続きをしないとともに現契約での2017年12月1日付で解約をしたいという申し出をして解約手続きをする必要があります。

ご契約の自動車を廃車・譲渡・返還などで解約する場合 ~中断証明書の発行手続き

契約されていた自動車を廃車・譲渡、リース業者への返還、車検切れ、盗難、災害、記名被保険者の海外渡航などで一時的に車を手離す場合には解約手続きと同時に「中断証明書」の発行手続きをしておきましょう。

この手続きをしておけば、新たにお車を取得する場合など中断前の契約や等級および事故有係数適用期間を引き継いで契約することができます。裏を返せばこの手続きをしておかないと中断前の等級を継承することができないということです。

次に中断証明書の発行手続きをする上でのいくつか注意点をお話します。

まず上記のような中断理由(自動車を廃車・譲渡、返還、車検切れ、盗難、災害、海外渡航など)がないと中断証明書の発行手続きはできません。ちょっとしばらく車に乗らないからと自宅に駐車しているだけの理由では中断証明書は発行できないということです。

また、ご契約の中断日(解約日または満期日)の翌日から13カ月以内に発行手続きをする必要がありますので注意ください。

なお、保険料未払い等で解約ではなく解除された場合は「中断証明書」は発行できません。

発行された中断証明書の有効期限は通常、中断日から10年間です。中断後に等級を継承して新規契約するには10年以内に手続きをするということになります。

契約者、記名被保険者が死亡した場合の手続き

ご契約いただいていた契約者や記名被保険者が亡くなった場合の手続きについてお話します。家族構成によっても様々な変更手続きが必要になってきますので具体例をあげてお話したいと思います。

同居の家族に引き継ぐ場合

契約者、記名被保険者が死亡したが同居の家族も引き続きその車を運転するため自動車保険を継続したい場合は、契約者名・記名被保険者名ともに変更手続きをします。そうしますと等級をそのまま継承することができます。

その際、保険料の引落口座名義を亡くなられた方にしていた場合、口座は凍結されますので引落口座の変更手続きもします。ただ、引き落としは通常、翌月のためすでに凍結して引き落としが出来ない場合もあります。

その場合は変更手続きされた契約者あてに払込票がお送りされるはずなので、引き落としがされなかった分については払込票にてお支払していただければ大丈夫です。

同居の家族に引き継がず解約する場合

契約者、記名被保険者が死亡後は同居の家族誰もその車を運転しないので譲渡する場合は

契約者名変更と同時に解約の手続きをします。返還保険料があれば返還してもらい、未払い保険料があればお支払手続きをします。

ただし、将来、同居の家族の誰かが再び車を運転する可能性もあるので念のため「中断証明書」の発行手続きをしておくとよいでしょう。特に今は運転できない年齢のお子様がいらっしゃる場合には「中断証明書」発行手続きされておくことをオススメします。

以下のような具体例をお話しますのでご覧ください。

<中断証明書を発行する具体例>

等級が20等級(事故有適用期間:0)の自動車保険の契約者・記名被保険者がご主人であるお父様が亡くなられた場合、自動車を譲渡すると同時に自動車保険も解約手続きをします。

配偶者である奥様はお車を運転されないので現時点で保険を継続する必要はありません。ただし、15才になる息子さんと同居しているとします。

「中断証明書」発行の手続きをしておけば、息子さんが20才になって新たに自動車を取得し車を運転することになった場合には、この中断証明書を使えば20等級を継承することができます。

中断証明書を発行していなければ6(S)等級からスタートになりますので大きな保険料の差となります。

中断証明書を利用すれば、中断した契約の記名被保険者、その配偶者、同居の親族は等級を継承することができるのです。

この中断証明書を利用して新たなご契約を締結する場合には、中断証明書および新たに取得した自動車の車検証などのコピーをご用意ください。

中断証明書を万が一紛失してしまった、という場合でも中断証明書の発行手続きをしていれば、中断前の契約者名や記名被保険者名、お車の登録番号を保険会社に伝え問い合わせていただきデータがあれば中断証明書の再発行をしてもらえます。

最後に

様々な変更通知の連絡・変更手続きについてお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。お客さまそれぞれのライフステージにおいて、変更事項のお届けが必要とご理解いただけたのではないかと思います。

詳細手続きについては取扱代理店や保険会社が相談にのってくれるはずですので、まずは変更事項があればご連絡していただく!というのがとても重要です。

著者の情報

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日吉 浩之自動車保険の専門家
国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。現在は株式会社プリモポストの代表取締役として、アニメーション動画(Youtube)を通じて保険をわかりやすく紹介する事業にも取り組んでいます。
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カテゴリー:専門家による記事,自動車保険