治療費が100%実費の先進医療のときでも、療養費がもらえる!?

投稿日:2016年7月7日

健康保険がきかず、治療費を全額支払う必要がある先進医療を受ける場合、保険外併用療養費制度療養費が支給されます。先進医療を受けるからと言って何も健康保険から出ないわけではないのです。

保険外併用療養費

公的な健康保険制度には、保険外併用療養費という保険給付制度があります。そもそも先進医療での治療を受けた場合には、保険が適用される診療と保険が適用されない診療を同時に併用診療した場合は、混合診療といってすべての医療費を全額負担することとなっています。しかしこの混合診療の例外として、保険外併用療養費が給付されています。

  1. 保険診療部分
  2. 保険診療以外の部分(評価療養と選定療養)

2.の保険診療以外の部分に評価療養と選定療養がある場合には、1.の保険診療部分での一部負担金である3割を認めてくれるのです。

評価療養と選定療養

保険診療以外の部分には評価療養と選定療養があることが条件となっています。

(1)評価療養―厚生労働大臣が定める先進医療や薬事法に定められた治験診療がある場合に評価療養とされます。厚生労働省では平成27年8月1日現在において、先進医療は107種類認定されています。

参考HP:厚生労働省・先進医療の概要より

先進医療の概要について |厚生労働省

先進医療の概要についてについて紹介しています。

(2)選定療養―特別の療養環境(差額ベッド)、予約診療、診療時間外の診察等、厚生労働大臣が定める療養を受けた場合に認められています。

 この保険外併用療養費での評価療養や選定療養を医療機関が行う場合には、費用がとても高額になりますので、患者さんにあらかじめ費用の説明をしなければいけないということと、文書による同意書もいただかないといけません。

ところでこの先進医療にかかわる費用は確定申告で申請する医療費控除の対象にもなります。特別な診療だから対象外とは思わず、大切に領収書は保険しておいて申告時にご利用ください。

民間の医療保険での先進医療特約

近年の民間生命保険会社や損害保険会社が発売している医療保険には、特約に先進医療特約が付いているものが増えてきています。もし先進医療が必要になった場合には医療費も数十万~数百万単位でかかってしまいます。そのようなリスクに備えて、医療特約に加入することがベストな方法といえます。

医療保険の基本部分に特約保険料として月に数百円で追加出来るのが一般的です。保険料も安いので是非とも考えてみてはいかがでしょうか。

先進医療治療に備える為に

それぞれリスクに備える考え方はさまざまでしょう。自分たちの親族にそのような者はいなかったということで加入しないという考えもあります。あくまでも個人で又は家族と相談をしてこの医療保険の特約が必要かどうか判断して決断なさってください。

著者の情報

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日吉 浩之自動車保険の専門家
国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。現在は株式会社プリモポストの代表取締役として、アニメーション動画(Youtube)を通じて保険をわかりやすく紹介する事業にも取り組んでいます。
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