自動車保険を決める前に確認して欲しい、ゴールド免許割引や新車割引などの割引制度について

投稿日:2017年10月1日

個人向けの自動車保険についての今回でシリーズ4回目となりました!今回は自動車保険の各種割引制度について詳しくお話したいと思います。自動車保険料が高いと家計への影響も大きくなります。割引についてより詳しく知っていただくことで保険料の負担軽減、そして少しでも家計のご負担が減れば…との視点でお話させていただきたいと思います。ご契約するお客さまの自動車・契約条件にあわせて割引が適用されることがあります。各社共通の代表的な割引についてお話したいと思います。

ゴールド免許割引について

自動車保険の契約期間の初日の時点で、記名被保険者(契約者ではありません、あくまで記名被保険者です)が保有している運転免許証の色がゴールドであれば「ゴールド免許割引」が適用され保険料が割引されます。

運転免許証を今、皆さんお持ちですか?そうしましたらご自分の運転免許証を確認してみてください。

運転免許証の帯の色、そう「平成00年00月00日まで有効」と記された箇所がゴールドの色であればゴールド免許割引が適用されます。優良とも書かれていますよね。

ゴールド免許

前年の保険契約期間の初日の時点では免許証の色はブルーだったけど、保険期間が満期を迎え更改初日の時点でゴールドに更新されたのであれば代理店さんと自動車保険の更改手続きをする際に運転免許証を提示してゴールド免許であることを申告し「ゴールド免許割引」を適用した保険料で計算してもらいましょう。

割引率は各保険会社によって違いますが、だいたい10%前後の割引になります。

ゴールド免許割引適用に関して少々、複雑なケースがあります。運転免許証の更新手続きが可能な期間中に保険契約期間の初日を迎えてしまったというケースです。

以下のケースの場合、保険期間の初日の時点で運転免許証がブルーの色でも「ゴールド免許割引」が適用されますので覚えておくとよいでしょう。

  1.  運転免許証を更新すればゴールド免許を保有できるが、契約期間の初日時点でまだ更新していない場合
  2.  運転免許証を更新しなければゴールド免許を保有していたが、契約期間の初日時点で更新していた場合

運転免許証の更新手続き可能な期間は運転免許の有効期限が来る誕生日前後1ヶ月間となっています。免許を保持するのであればこの期間中に免許の更新手続きをしなくてはなりません。

今回お話する例はちょうどその更新手続き可能な期間に保険契約期間の初日と重なってしまったというケースになります。では具体例をお話しましょう。

運転免許証を更新すればゴールド免許だが、契約期間の初日でゴールド免許でない場合

例えば、誕生日が8月10日としますと7月10日~9月10日の間で免許証の更新手続きをする必要があります。そして次の自動車保険の契約期間の初日は8月1日とします。昨年の契約ではブルー免許のため保険料割引は適用されていません。

保険契約の手続きを7月1日にすることになったけれどまだ免許の更新手続きを期間ではないけれど、更新手続きをすればゴールド免許になることが分かっている場合はゴールド免許割引が適用されます。

更改手続きをする時点でまだ免許の色が確定していない場合は、一旦ブルーの色で保険の更改手続きをしておいて更新後はゴールド免許であることが確定した場合、変更手続きをして割引分を返戻してもらうという方法もありますのでご安心ください。

運転免許証を更新すれば本来ブルー免許だが、契約期間の初日がゴールド免許の場合

2.のケースですが、8月1日の保険更改初日時点で前年まではゴールド免許でしたがすでに運転免許証の更新をしたことによりブルーの色になった場合は、更新しなければ保険の更改初日時点ではゴールド免許であれば実はゴールド免許の割引が適用されます。

当然、次年度はブルーの色ですのでこの割引を適用することはできません。この「ゴールド免許割引」のポイントは契約保険期間の初日の時点で免許の色が何色かということによって決まります。

多くの契約者の皆さまの場合、通常保険期間は1年間という場合が多いのですが、最近は3年などの長期契約も増えています。

長期契約を締結し、契約保険期間の初日の時点ではブルーでしたが、1年後はゴールド免許になった場合、実はゴールド免許割引は適用されません。次の保険の満期まではそのままの保険料が適用されますのでご注意ください。

少しややこしく分かりにくいかもしれませんが、ゴールド免許が適用される可能性があるのでは?と思われましたら代理店や保険会社に相談してみましょう。

ゴールド免許になるためには、5年間無事故・無違反で運転する必要よ~。

 

新車割引について

次に新車をご購入されたお客さまにとってうれしい新車割引についてです。ご契約のお車が自家用乗用車(普通・小型・軽四輪)で、保険契約期間の初日の属する月が車検証などに記載の初度登録年月から25カ月以内であれば新車割引が適用されます。

簡単に言いますと、新車を購入してから最長で約3年間この割引が適用されるということです。各保険会社で割引率は異なりますが、自家用普通・自家用小型自動車で約10%前後の割引、軽四輪で約5%前後の割引が適用されます。

保険会社によっては車両保険部分のみですが最長で約5年間、新車割引が適用される場合がありますので各社の見積もり等とってもらい検討していただければと思います。

前述で申しましたように新車割引は最長で約3年間の適用期間がありますがその適用期間が過ぎてしまったら当然、新車割引はなくなります。

ですから、「事故もしていないはずなのに保険更改時に保険料がなぜ上がったのだろう?」と思われることがあるかもしれませんが、それは新車割引が適用されなくなったからという要因もあるからなのです。

エコカー割引・福祉車両割引について

これまではガソリンで走る車が主流でしたが昨今、電気自動車などの環境に優しいいわゆるエコカー車もかなり増えてきています。環境に優しい車は地球環境に貢献しているということから「エコカー割引」という割引が適用されます。

ご契約のお車が自家用乗用車(普通・小型・軽四輪)の電気自動車、ハイブリッド自動車または圧縮天然ガス自動車などのエコカーで、保険契約期間の初日の属する月が車検証などに記載の初度登録年月から13カ月以内の場合は、エコカー割引として保険料が割引されます。

割引率は各社とも3%ほどです。

また、契約のお車が「車いす移動車」などの「福祉車両」である場合は「福祉車両割引」として保険料が割引されます。割引率は各社とも3%ほどです。

これから超高齢化社会を迎える世の中ですから、福祉車両も今後ますます増えていくと思われますので割引率などの動向は注視しておく必要がありますね。なお、現時点ではエコカー割引と福祉車両割引を重複して適用することはできません。

いずれの適用条件も満たす場合は福祉車両割引が適用されます。

ノンフリート多数割引(複数台契約割引)について

この割引は今やほとんどの各保険会社において適用している割引制度です。一部、割引適用がない保険会社もあるかもしれませんので各保険会社に確認してみましょう。

この割引は家族や企業で2台以上の複数の自動車をお持ちのお客さまに適用される割引です。まずノンフリートって何?と思われるかもしれません。ノンフリートという言葉は保険用語なので簡単に説明しておきましょう。

ノンフリートとは

ノンフリート契約というのは所有・使用する自動車の総契約台数が9台以下の場合の契約を指します。

それに対してフリートという保険用語があるのですが、フリートは所有・使用する自動車の総契約台数が10台以上の場合を指し、フリート契約固有の割引が適用されます。

いわゆる企業など業務などに使う自動車所有の台数が多い場合はフリート契約となります。

一般的な個人のお客さまの場合、10台以上自動車を所有することはまずありませんのでノンフリート契約となるのですが2台以上お持ちのお客さまが契約を締結する場合、適用されるのがこの「ノンフリート多数割引」(複数台契約割引)と呼ばれる割引です。

  • 「家族でまとめて割引」
  • 「家族まとめ割」

などとも呼ばれている割引です。

「家族割」と聞いて何か思い出しませんか?そう、携帯電話を家族で複数所有する場合、同じ携帯会社でまとめて契約すれば割引されるという特典がありますよね。この「ノンフリート多数割引」はその自動車保険版と言ってもいいかもしれません。

割引名の呼び方については保険会社によって違う可能性がありますので2台以上所有・使用することになった場合は代理店や保険会社へ相談しましょう。

僕しっているよ。海運会社などが、自分のところの船をフリートリストとして紹介したりしているよね。もともとは艦隊という意味なんだよね!

 

ノンフリート多数割引が適用される条件

この割引はご契約期間の初日において、次のいずれかの方を記名被保険者として2台以上の自動車を1保険証券でご契約になる場合は、その台数に応じて保険料が割引されます。

  • ご契約者本人 
  • ご契約者の配偶者
  • ご契約者またはその配偶者の同居の親族 
  • リース業者がご契約者となる場合はそのリースカーの借主、その配偶者またはそれら 

の方の同居のご親族。割引率については、やはり各保険会社によって多少違いますが、

  • 2台であれば0~3%(ペアフリート・セミフリート割引と呼ばれる場合があります。)
  • 3台以上5台以下であれば3~4%
  • 6台以上であれば5~6%

の割引率が適用されます。

ということですので、もし家族で自動車を複数所有しているのであれば1保険会社1証券にまとめたほうがお得ということになります。また1証券でまとめることで以下のようなメリットがあります。

保険料が分割払いでも割増がない!

通常、保険料をお支払する際、一括払いと分割払いのいずれかを選択することができるのですが、一般の契約の場合、分割払いにすると分割割増(約5%)がかかり年間にすると一括払いで支払うよりも分割払いのほうが保険料割高になります。

ですが、1証券でまとめて「ノンフリート多数割引」を適用させた場合にはたとえ分割払いでも分割割増はかかりませんので年間にするとかなりのお得になります。

ムダのない最適な自動車保険の補償見直しができる!

複数の自動車を所有していると証券も保険期間もバラバラですので気付かないうちに補償が重複しているかもしれません。

前回の記事でお話させていただいた個人賠償責任特約や弁護士特約など重複して契約してしまっていたということもよくあります。契約を1証券にまとめることで、補償の重複などの見直しも簡単に比較ができ最適な補償で契約できるので安心です。

自動車保険の継続手続きも簡単!

自動車を3台家族で所有している場合、例えばお父さんもお母さんも娘さんの保険契約それぞれ保険期間の初日がバラバラであればその都度、契約の手続きをしなくてはいけませんが、家族で1証券にまとめることでこれまで自動車の台数分必要だった契約手続きが1回で完了しますので効率的です。

以上よりこの割引がお得で継続手続きも便利であること、お分かりいただいたかと思います。

ただ、この割引を適用させる場合、一般的にはあまり知られていない注意点や1証券にまとめるタイミング(時期)はいつがベストなのか?など、私の実務経験上からもっと詳しくお話させていただきたいと思います。

ノンフリート多数割引を適用させるための注意点

まず、この「ノンフリート多数割引」を適用させるために1証券にまとめる場合の注意点を説明します。証券はご家族で1枚になりますので契約者名を統一させる必要があります。

また、1証券にまとめるということは1つの保険会社で契約するということになります。

契約者であるご主人は○×損保会社、配偶者である奥さんは▲■損保会社で契約しているのであればいずれかの保険会社1本にまとめないとこの割引は適用されません。

そしてこれまで契約者であるご主人、配偶者である奥さん、それぞれの契約者名でそれぞれに保険をかけていた場合(証券は2枚)はご主人か奥さんいずれかの契約者名義にします。

その場合、記名被保険者はそれぞれ自動車ごとにご主人もしくは奥さんの名前のままでかまいません。

またの機会に自動車等級別料率制度とからめて詳しくお話させていただければと思いますが、記名被保険者名は車の所有者の方、一番そのお車を乗られる方のお名前にするのがベストです。

また1証券1契約になりますので、保険料を口座で引き落としされている場合、これまでは別々の口座で契約されていた場合も引き落とし口座を1つにする必要がありますので引き落とし口座をどちらにするか合わせて変更手続きしていただくようになります。

次に前述でチラッとお話しました記名被保険者名の変更についてよく問い合わせがある例をあげて注意点や最適な手続き方法などについてお話したいと思います。

ちなみに、記名被保険者は保険の対象となる人のことよ。保険契約者は保険料(お金)を支払う人のことね。

 

ノンフリート多数割引の具体例その1:家に複数台数(保険開始日が同一)

家族で3台所有していて父親名義で保険契約を締結、1証券にまとめて「ノンフリート多数割引」の割引率が3台すべてに3%適用されているとします。

保険期間は2017年11月1日~2018年11月1日の1年間とします。記名被保険者名はそれぞれ

  • 1台目→父親
  • 2台目→父親・・・(実態は25才の娘が使用)
  • 3台目→母親

とします。2台目の車は実は25才の娘さんが主に使用されていますが、数か月後にその娘さんは結婚されることになったので父親からその車を娘さんに譲りたいという相談があったとしましょう。

この場合、3台から2台になるので「ノンフリート多数割引」の割引率は下がってしまうのか?ということや、またどういう手続きが必要なのか?注意点は?などについて説明します。

この「家族まとめ割引」は前述でお話しましたように、記名被保険者は家族つまり契約者本人、契約者の配偶者、契約者またはその配偶者の同居の親族が対象となります。

ですからこれまで同居していたお子さんが結婚されて別生計になってしまう場合はこの割引の対象の記名被保険者ではなくなってしまいます。

ただし、この割引は保険期間の初日の時点で同居の親族であれば保険期間中は3台の割引率(この場合は3%)が適用され次年度の更改時の時に2台の割引率(例えば2%)で手続きすることになりますのでご安心ください。

ではこのケースの場合の注意点を説明しましょう。

現在、2台目の記名被保険者名は父親になっていますので、車の所有者名を娘さんに変更と同時に保険期間が終了する2018年11月1日までに自動車保険の記名被保険者名を娘さんに(改姓後の名義)変更しておく必要があります。

等級継承は別居の親族にはできないからなのです。

例えば2台目のお車の等級が1番割引率の高い20等級だとしますと同居の親族であればそのまま20等級を継承することができます。

もしこの手続きをしなければ、娘さんは初めて保険をかける時と同様に、6(S)等級からスタートしなければいけなくなるので保険料がかなり割高になってしまいます。

同居の親族の間に手続きをしておけば等級も継承できるといいうわけです。そんなこと知らなかった、すでに結婚して住所も名前も変更済みなのでどうしようとなった場合でも、保険期間の終日2018年11月1日までに手続きをすれば大丈夫です。

その場合は、保険期間の初日の時点でお父さん・お母さんと同居されていたことを証明できる公的証明書(写)などがあれば変更手続きできますのでご安心ください。

ノンフリート多数割引の具体例その2:業務用(保険開始日が同一)

「家族まとめ割引」ということで前述のような例をお話させていただきましたがこの「ノンフリート多数割引」は家族に限らず、もちろん企業や自営業の方でも2台以上の自動車をお持ちであればこの割引が適用されます。

企業や自営業の場合、従業員も多く車の台数が10台以上であればこの割引についての最初のパートでお話させていただきましたようにフリート割引が適用されます。

9台以下であればフリート割引は適用されませんが、この「ノンフリート多数割引」を適用することができます。ただし記名被保険者名を設定する際の注意点についてお話しましょう。

例えば、

  • 契約者:(株)田中商店 代表取締役 田中太郎
  • 記名被保険者:同上

で6台自動車を所有していたとします。そうしますと「ノンフリート多数割引」の割引が適用されるのですが、その場合、すべての自動車の記名被保険者は、(株)田中商店 代表取締役 田中太郎 でしか設定できません。

そのうち1台の記名被保険者を田中太郎さんの奥さんの田中花子さんにしたいとご相談があってもそれはNGとなります。

配偶者は対象なのでは?

と思われますがあくまでもこのケースは(株)田中商店という会社が記名被保険者なので会社や企業の場合、記名被保険者をそれ以外で設定することはできないのです。それでは、以下の場合だったらどうでしょう?

  • 契約者:(株)田中商店 代表取締役 田中太郎
  • 記名被保険者:田中太郎

この場合、6台とも記名被保険者が田中太郎さんであれば配偶者である田中花子さんに記名被保険者変更することができます。記名被保険者が個人である田中太郎さんであれば配偶者や同居の親族は対象だからです。

ですがそのうちの1台の記名被保険者名を

(株)田中商店 代表取締役 田中太郎

にしたいとのご相談があってもそれは対象外となります。

次に保険期間の初日が家族それぞれバラバラの場合、どのタイミングで1証券にまとめるのがいいのか?について具体例をあげながらお話したいと思います。

結論から言いますと、例えば家族で3台所有していて1証券にまとめてこの割引を適用させたい時、3台ともすべて一番高い等級(20等級とします)であればどのタイミングでまとめてもらっても何の問題もありません。

最短で保険期間の満期が到来する契約に合わせて1証券にまとめるといち早く、この割引が適用されます。等級の高い契約もあれば等級の低い契約もある場合には時期を誤ると逆に損をしてしまう可能性もありますので、必ず代理店、保険会社に相談しましょう。

ノンフリート多数割引の具体例その3:家に複数台数(保険開始日がバラバラ)

契約者:ご主人1台目の契約

  • 記名被保険者→ご主人本人
  • 等級:20等級
  • 保険期間:2016年12月1日~2017年12月1日の1年間

 

  • 2台目の契約:記名被保険者→契約者ご主人の奥さま
  • 等級:11等級
  • 保険期間:2017年2月1日~2018年2月1日の1年間

この割引のことを知ったご主人から満期前の2017年11月に夫婦1証券にまとめて割引を適用して更改手続きをして欲しいと相談があったとします。

この場合、もし2017年12月1日を保険期間の初日として1証券にまとめようとすると、奥さまのほうの契約はその時点で保険期間が1年に到達していないので等級が進行せず11等級のまま1年間また契約するということになってしまいます。

等級は上になればなるほど割引率が高いのですが、1年間無事故で保険を使用しないということでないと等級は進行しません。

つまり2018年2月1日まで残り2カ月待てば(あくまで事故がないという前提ですが)12等級に等級は進行します。ということでこのケースでは、まずご主人の契約は一旦、2017年12月1日~1年で更改契約手続きをして2018年2月1日付で解約手続きをします。

もしくは2017年12月1日~2018年2月1日まで短期契約で締結します。同日の2018年2月1日付でご主人20等級、奥様12等級として1証券にまとめて2台それぞれに「ノンフリート多数割引」を適用させるのがベストかと思います。

こうしておけば次年度以降は、夫婦の自動車保険の手続きは年に1回で済みます。でも、解約すると損が発生するのでは?と思われるかもしれません。

通常、保険の解約をする場合は月割になりますので自身の都合により解約するのであれば日にちによっては損が発生しますが、「ノンフリート多数割引」を適用させるために解約することが条件であれば解約保険料は日割り計算となり、お客さまに損は発生しませんのでご安心ください。

ノンフリート多数割引の具体例その4:増車(保険開始日がバラバラ)

次の例もよくある問い合わせなのですが、契約保険期間中に1台増車した場合はこの割引は適用されますか?という例です。

結論から言いますと、ご契約期間の初日時点での台数によって割引率は決定しますのでご契約後に台数の増減があった場合でも、契約期間中の割引率は変更となりません。

契約者、被保険者ともに契約者本人2台所有(3%の割引とします)

保険期間:2016年12月1日~2017年12月1日2017年11月1日付

でもう1台所有することになったので3台所有(4%の割引とします)の割引をさせて1証券にまとめたいとのご相談があったとします。

この場合、2016年12月1日時点ではあくまで2台所有なので4%の割引は適用できません。

手続き方法としては、増車する自動車は2017年11月1日~2017年12月1日まで短期契約を締結して、2017年12月1日~ 3台を1証券にまとめて「ノンフリート多数割引」4%割引を適用させるのがベストでしょう。

逆に3台所有(4%の割引とします)していたが保険期間中に1台減車したとしても保険期間中は割引率が2台所有(3%の割引とします)の保険料になることはありません。

「ノンフリート多数割引」のポイントは保険期間の初日に所有している自動車は何台あるかで割引率が変わってきます。

以上、少し長くなりましたがご理解いただけましたでしょうか?なかなか複雑で難しいですよね。これらの例は一例にすぎません。

私も保険会社勤務時代にこの割引については代理店からも頻繁に相談がありましてその都度、規定集といつもにらめっこしながらそれぞれのケースに応じてアドバイスしていました。

車の所有台数や保険期間(長期契約になるとさらに複雑になります。)、等級などによって様々なケースが考えられますので所有するお車が2台以上になった時にはまず代理店もしくは保険会社に連絡し、最適な契約方法についてご相談しましょう!

自動車を2台以上所有している方は、契約を1本にして、明細方式したほうが保険料も安いし、管理も楽になりますよ~。

 

複数所有新規割引(セカンドカー割引)

2台目以降の自動車を新たにご契約される場合に適用される「複数所有新規割引」(通称:セカンドカー割引)という割引があります。前述でお話しました「ノンフリート多数割引」とどう違うのか?

ちょっと混乱される可能性がありますので、この割引についての説明と「ノンフリート多数割引」の違いについても含めてお話したいと思います。

通常、新しく自動車保険をご契約されると「6(S)等級」からスタートします。よく聞かれるのですがこの(S)って何?と。これは実は新規のSなのです。

ですからもし前年契約のお客さまが5等級で1年間無事故であれば次年度は6(S)等級ではなく6(F)等級になります。

ごめんなさい、この(F)はどういう意味かは分からないです。とにかく新規はSがつくと覚えておいていただければと思います。それでは「複数所有新規割引」に話は戻りますね。

自家用8車種の自動車を11等級以上で契約している自動車を所有していれば、2台目以降の自動車(自家用8車種)を新たにご契約になる場合は、「7(S)等級」からスタートすることができます。

また、二輪自動車を11等級以上で契約している二輪車を所有していれば、2台目以降の二輪自動車を新たに契約される場合も同様です。

新しく取得した自動車を新規に契約される場合、この割引がある(7(S)等級)のとない(6(S)等級)のとでは年齢条件にもよって多少違いますが年間で数万円の保険料の差がでます。

「ノンフリート多数割引」と違う点は、このセカンドカー割引が適用されるのはあくまで自動車を新規取得した場合であること、1証券にまとめる必要もありませんので保険期間の初日を必ずしもそろえる必要もありません。

同じ保険会社で契約してもいいですし、他社で契約していたとしても適用されます。

<例>

  • 父親→○○損害保険会社で契約 等級は15等級
  • 息子→▲■損害保険会社で新規契約

をする場合、息子さんは同居の家族が11等級以上の自動車保険契約がありますから父親の契約が他社であったとしても7(S)等級で加入できます。

記名被保険者は契約者本人、その配偶者およびその同居の親族となります。「ノンフリート多数割引」と違う点はこの割引は法人契約には適用されません。あくまで個人のお客さまのみでなおかつ自家用8車種に限定されるのが特徴です。

「ノンフリート多数割引」を適用した契約の保険期間初日と新規で自動車を取得した日がたまたま同じであれば「ノンフリート多数割引」も「複数所有新規割引」も両方とも適用することができます。

<例>

2台自動車を所有(20等級と9等級)、保険契約期間は2017年12月1日~1年間でノンフリート多数割引3%適用の契約があるとします。

2017年12月1日付で新たに新規自動車を取得した場合には、2017年12月1日を保険期間の初日としノンフリート多数割引3台の割引(4%適用とします)が適用されると同時に、所有している1台が20等級と11等級以上ですので新規で取得した契約は7(S)等級でスタートできるのです。

以上、複数所有新規割引についてお話させていただきましたがご理解いただけましたでしょうか?

ノンフリート多数割引にさらに複数所有新規割引(セカンドカー割引)にとさらにややこしくなってしまったかもしれません(笑)ただ、複数お車を所有している場合にはこういうお得な割引があることを頭に入れておいていただければと思います。

いずれにしても所有するお車が増える場合は代理店・保険会社に必ずご相談くださいネ!

5等級から6等級に上がるときは6(F)等級で、新規契約でスタートするときは6(S)等級になるのよ~

 

その他割引について

これまでご紹介しました割引については割引率が多少違うもののほぼ各保険会社共通にある割引です。保険会社間での保険料価格競争というのはどうしてもありますので、その保険会社独自で適用している割引などもあります。

「ノンフリート多数割引」のところで少しお話させていただきましたように、一般で契約する場合のお支払方法を分割払いにしますと一括払いよりも割増(約5%)になりますと説明させていただきました。

お支払い方法は口座引落、クレジットカード払いなどがありますが、近年ネットショッピング等でクレジットカードを利用するお客さまが増加していることから、お支払方法をクレジットカード払いにすると口座引落より分割割増を数%引き下げするといった割引を実施している保険会社もあります。

また、CMやインターネットなどでも一度は目にされたことがあるかと思いますが、特に通販型の保険会社においてネット上で申し込みすればいくらか割引が適用されるケースや、自動車で走る距離が少ないと保険料が安くなるなど、走行距離に応じて保険料が割引されるというケースもあります。

各保険会社の割引や補償内容やサービス内容、保険料など確認の上、見積もりをしてもらうなど比較・検討していただければと思います。

まとめ

今回は個人向け自動車保険に関する各種割引制度について詳しくお話させていただきましたがいかがでしたでしょうか?割引されるのには理由があることも恐らくご理解いただけなのではないかと思います。

このような割引制度についてご理解いただき是非、活用していただければ幸いです。

著者の情報

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日吉 浩之自動車保険の専門家
国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。現在は株式会社プリモポストの代表取締役として、アニメーション動画(Youtube)を通じて保険をわかりやすく紹介する事業にも取り組んでいます。
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カテゴリー:専門家による記事,自動車保険