自動車保険の基本補償がわかった後に知りたい、ロードサービスや弁護士費用特約などの付帯サービスや特約について

投稿日:2017年9月2日

前回の記事では個人向け自動車保険の基本補償や契約条件設定(運転者限定・年齢条件他)、他車運転特約などについてお話させていただきましたが今回は個人向け自動車保険についてさらに踏み込んでお話させていただければと思います。せっかく自動車保険に加入しているのに請求していなかった、そんな特約があること知らなかった(自動車保険で支払いしてもらえるとは思わなかった)ということにならないよう、そういう視点でお話ができたらと思います。

自動車保険に付帯されるロードサービス

近年、

  • ロードアシスト
  • ロードサービス
  • ロードアシスタンス

などと呼ばれるサービスがほぼ各保険会社の個人向けの自動車保険に加入すると自動的にセットされていること、ご存知ですか?

またそれはどういうサービスでどんな時、保険金請求できるの?JAFのサービスとどう違うの?とたずねられると、なかなかはっきりと答えることができないのが現状ではないかと思います。

それではロードアシスタンスサービスについて詳しく説明していきたいと思います。

ロードアシスタンスサービス

このサービスは簡単に言いますと、ご契約の自動車が事故、故障またはトラブルにより走行不能となった場合に、レッカーけん引や応急処置などを利用できるサービスです。

「走行不能」とは、自力で走行できない、または道路交通法上運転してはいけない状態のことを言います。裏を返せば、走行可能であればこのサービスは対象外ということになります。あくまで「走行不能」時が対象となります。

車を運転中に何らかのトラブルで走行不能になってしまったら焦ってしまいますよね。そんな時、このサービスが役に立ちます。

走行不能の状況になった場合はまずは自動車保険をかけている保険会社のロードアシスタンスサービス専用デスクへすぐ連絡しましょう。

自動車の事故報告する際のフリーダイヤルとは別にロードサービス専用のフリーダイヤルが各社ともあるはずなのでいざという時に慌てないよう日頃から分かるようにしておくとよいと思います。

専用デスクのフリーダイヤルは365日24時間、対応しているはずです。専用デスクへ連絡をしてオペレーターに現地の住所など伝えて、レッカー業者などの手配をしてもらいましょう。それでは具体的にどのようなサービスなのか説明します。

レッカーけん引(車両搬送)サービス

事故、故障またはトラブルにより走行不能となった場合に現場までかけつけ、修理工場までレッカーで搬送するサービスです。限度額やけん引距離については保険会社によって違うかもしれませんので各社に確認してみてください。

私が勤務していた会社のサービスは1事故につき15万円限度で設定されていました。

15万円に相当するレッカーけん引距離の目安は約180kmですから十分な距離をカバーします。保険会社が指定する修理工場などにレッカーけん引する場合は、無制限となるケースもありますのでこちらもあわせて保険会社に確認してみてください。

ただし、いったんレッカーでけん引された修理工場から他の場所(別の修理工場など)へのレッカーけん引費用は対象外となります。

応急処置、応急対応サービス

事故、故障またはトラブルにより走行不能となった場合に、現場に急行し現場にて30分程度で完了する応急処置を行うサービスです。

主な事例としてはバッテリー上がり時のジャンピング、キー閉じ込み時の鍵開け、パンクした時のスペアタイヤ交換、落輪した場合の引き上げなどがあります。

ただし現場にて30分程度で対応できないケースや部品代についてはお客さま負担になる場合があるので保険会社に確認してみましょう。

また、雪道、ぬかるみ、砂浜などによるタイヤの空回りやスリップなど単に走行が困難な場合やチェーン着脱作業費用、パンク修理費用については対象外となりますのでご注意ください。

燃料切れ時の給油サービス

契約の車が道路上でガス欠になった場合など燃料切れで走行不能となった場合にガソリンまたは軽油をお届けするサービスです。1保険年度につき1回限りで1回につき最大10リットルまで無料となるサービスです。

近年、電気自動車などのエコカーも増えてきていますが、ガソリンや軽油を燃料としない電気自動車、燃料電池自動車の場合は、充電または燃料補給が可能な場所までレッカーけん引を行ってくれます。

ここまでのサービスは各社ともほぼ共通のサービスです。

その他、ロードサービス関連の特約としてレッカーけん引で運搬後の諸費用、例えば宿泊費用、タクシーやレンタカーを利用した場合の移動費用ですとか修理期間中の代車費用や修理後の引取り費用など請求できるオプションの特約も保険会社によってはありますので、各保険会社のサービスを比較されてみるといいと思います。

ロードアシスタンスサービスが始まったころ、ちょうど各社とも自動車保険料改定があり保険料が値上げされたことからお客さまからこのサービスは必要ないので保険料をもっと安くして欲しいとのお声も実はよくありました。

でもそれは最初の頃だけだったように思います。

といいますのも、ロードサービス関連の保険金請求の件数は毎年のように増えていますので、お客さまからのニーズはかなりあるものと思われます。

しかも、これもポイントなのですが、ロードサービス単独の保険金請求であれば事故カウントはされないため等級が下がることもありません。翌年の保険料は値上がりしないのです。

そうよ、これが一番のポイントなのよ~。無料なんだか使わないと損よ~。

 

また、保険会社によってはロードサービスの一つとして、携帯のGPS機能を利用し、お客さまの位置情報を電話発信と同時に専用デスクに送信する「位置情報送信サービス」や専用デスクから受信したSMSのURLにアクセスするとレッカー車の現在地が確認できる「レッカー車現在地確認サービス」などを提供している場合がありますので加入している保険会社や代理店に確認してみてください。

こういうサービスは見知らぬ場所での事故や故障、トラブルに遭って走行不能になった際、大変助かるサービスだと思います。

ほぼ各保険会社の個人向けの自動車保険にはこのようなロードサービスは自動セットされていますがJAF会員なのでこのサービスは不要、保険料を安くしたいとお考えの場合は一部、通販型などの保険会社ではオプションになっていることもありますのでお問い合わせしていただき見積もりをとっていただき比較されてみるといいと思います。

ちなみにJAF会員の場合、どんな優遇サービスがあるかと言いますと、保険会社のロードサービスの応急処置時には部品代はお客さま負担とお話しましたがJAF会員の場合、1保険年度につき1回限り、応急処理の際にかかった部品代・消耗品代が4,000円限度にサービスされます。

また、燃料切れ時の給油サービスが1保険年度につき2回まで対象となります。さらに、通常保険会社のロードサービスでは対象外となる、

  • パンク修理
  • 雪道・ぬかるみ、砂浜などのため走行が困難な状態からの救援
  • タイヤチェーンの着脱

についてはJAFのサービスをご利用できます。

要するに、JAF会員の皆さんは「JAFのサービス+自動車保険加入の保険会社のロードサービス」のサポートを受けることができると理解いただければよいかと思います。

次に主な特約の補償内容について説明したいと思います。

ロードサービスってすごいなぁ。ここまでサービスがあったとは知らなかったです!

 

ファミリーバイク特約(オプション)

自家用自動車、原動機付自転車(略して原付バイク)を所有している場合、それぞれ別々に自動車保険をかけるよりはこのファミリーバイク特約を自動車保険に付けることによって合計保険料が割安になります。

ただし、ファミリーと名前がついていることからも分かりますように対象は家族に限定されます。記名被保険者、その配偶者またはこれらの方の同居の親族・別居の未婚のお子さまが原動機付自転車を使用中などに生じた事故を補償する特約となります。

所有している原付自動車だけでなく借用中の原動機付自転車を使用中の事故も補償の対象となります。この特約には、人身傷害型と自損傷害型があります。

ファミリーバイク特約の人身傷害型

人身傷害型では対人・対物賠償事故、人身傷害事故が補償され、自損傷害型では対人・対物賠償事故、自損傷害事故が補償されます。

原付バイクを運転中、自動車事故に遭うケースはけっこうありますので自賠責だけでなくこのファミリーバイク特約を付帯されることをオススメします。特に原付の場合、ご自身がケガをする事故が非常に多いです。

相手方に100%過失がある場合は相手方の対人賠償にて補償してもらえればよいのですが、原付バイク側の過失が大きい事故などの場合、手厚い補償受けるには人身傷害型にされることをオススメします。

ファミリーバイク特約の自損型

自損傷害型は自損事故いわゆるひとり相撲の事故でのケガのみが対象です。それからあくまでこの特約は原動機付自転車が対象です。原動機付自転車とは125cc以下のバイクが原付に分類されます。それ以上の二輪車は対象外となります。

例えば、自家用自動車は所有しておらず中型の二輪バイクと原付バイクを所有している場合には、二輪バイクに主体となる自動車保険をかけてこのファミリーバイク特約を付帯するとよいでしょう。

なお、125CC以下のバイク(原付)には自賠責保険が必ず付帯されているはずです。その上乗せ補償として、ファミリーバイク特約がぴったりです。詳しい自賠責保険に関する内容はこちらを参照ください。

対物全損時修理差額費用特約(オプション)

この特約が販売されることになった時、この特約を付帯することで金銭的にも精神的にもお客さまを助けてくれる特約がようやくできたと思いました。その位、付帯することをオススメする特約です。それではどのような特約なのか説明します。

対物賠償保険金をお支払するような自動車事故において、例えばお客さま側100%、相手方0%の過失割合だったとします。

相手車の修理費用は70万かかる見込みですが、相手車の時価額は40万円と判定されたとします。そうしますと損害賠償金としては40万円の支払になり修理代70万円はお支払できないのです。

この特約がまだ販売されていない頃、事故査定をする自動車損害調査課に所属していた私は、こういうケースではたいていお客さま側からも相手側からもクレームになりなかなか話が解決せず苦労した記憶があります。

なぜクレームになってしまうのか、と言いますと相手側にしてみれば

「事故の非は全くない、修理をしたいのに修理代金を払ってもらえないのは納得できない!」

お客さま側からすると

「対人賠償補償せっかく無制限で掛けているのにどうして修理代金を全額支払ってもらえないのか?納得できない!」

となります。

相手側の言い分もお客さま側の言い分も心情的に非常に理解はできます。特に相手側にしてみれば全くの被害者ですから修理代金を全額支払いしてもらえないというのは納得できないのも無理はありません。

事故に遭わなければ愛着のある車に乗れていたわけですから。ですが、そもそも損害賠償とは?という視点で説明します。

おっ、教えてください!!!気になります!

 

お車に限らず、物については年々使えば使うほどその物の価値は下がっていきます。テレビにしても、冷蔵庫にしてもパソコンにしても同様に価値は必ず下がっていきます。減価償却という言葉、きかれたことがあるのではないでしょうか?

現時点でのその物の価値、もし値段をつけるとするとこの金額ほどの価値になる、それが時価額なのです。つまりその時点のお車の時価額が40万円であれば時価額以上の金額を損害賠償法律上、お支払する責任はないということになります。

これは裁判になったとしても同じです。この考え方から時価額以上の賠償責任は発生しませんし金銭的に肩代わりする保険会社にも支払いする責任は発生しないのです。

ですが、前述で申し上げましたようにこのようなケースは非常にもめることも多く解決までに時間を要していました。

1回目の「自動車保険の支払われるまで」という記事で次のようなケースについてアドバイスさせていただいたこと覚えていらっしゃいますでしょうか? 

「事故現場においてお客さま自身の判断で相手方に決してお約束はされないように」と。

とはいえ、どうしても自分に100%自分に非があると思ってしまうと「自分の責任なので修理代金、全額支払います。」と約束してしまいしがちです。

事故解決のためその差額分をお客さまが自己負担することでようやく示談解決ができたというケースも何度かありました。そうすると何のための保険なのか?という不満がお客さま側に残ってしまいます。

こういった経緯もありお客さまニーズに対応するため「対物賠償責任保険特約」が販売されるようになったのです。

この特約を付帯していれば、相手の自動車の修理費が時価額を超え、被保険者がその差額分を負担した場合に、実際に負担した「差額分の修理費に被保険者の過失割合を乗じた額」について保険金をお支払することができます。

限度額は50万円程度だと思いますが、各社によって違うかもしれませんので保険会社に確認してみてください。

法律(通常の保険)で支払えるのは、時価額まで。それ以上は気持ち(特約)って考えればいいかな~!

 

それでは実際に過失が双方にある場合の具体例をお話します。

お客さまの過失割合:相手の過失割合=80:20とします。しかし相手車の時価額は

40万円とします(相手は修理を希望、修理代金70万円)

対物賠償保険金としては40万円×80%=32万円のお支払となります。

この特約を付帯していれば、差額分の30万円×80%=24万円が支払いされます。

合計56万円を保険金としてお支払ということになります。

相手の自動車が時価額までしか支払われないので心配!という場合にはこの特約を付帯されることをオススメします。

実際、私も代理店さんからお預かりする契約書類を確認しましたところ、現在はほとんどのお客さまがこの特約を付帯されています。

気になるプラスされる保険料ですが、月々プラス50円、年間600円ほどですので安心を買うという観点からも付帯されることをオススメします。

対物賠償補償については修理費と時価額の差額分については「対物全損時修理差額費用特約」を付帯すればいいこと、ご理解いただいたと思いますが、それではご自身の車両について車両保険金額を修理費が上回った場合、契約者の自己負担になるの?という疑問があるかもしれません。

 

年間600円なら、つけといた方が安心!!

 

これから車両保険に付帯することができる特約について説明します。

車両全損修理時特約(オプション)

まず、車両保険の場合は保険契約を締結する際にその時点での適正な車両保険金額を限度額として設定しますので事故に遭遇されて大破するなどもし全損になった場合は車両保険金額を限度として全額、保険金から支払いされます。

また車両保険金額については当然、年々下がっていきます。その分、車両保険料も下がります。ですが、自動車事故で修理費が高額になることもよくあります。

年式はちょっと古いけれど、愛着のある自動車を手放したくない、修理して乗り続けたい!という場合にこの「車両全損修理時特約」がありますのでこちらを付帯されるとよいでしょう。

例えば車両保険金額は40万円とします。

修理費は70万かかることが判明。この特約を付帯していれば超過した修理費について支払いしてもらえます。

限度額については各保険会社に確認いただければと思いますが、特約が50万円の限度であれば修理費と車両保険金額との差額の30万円がこの特約の保険金としてお支払されます。

ただし、あくまで1年以内に修理された場合が対象で修理せずに差額分だけ受け取ることはできません。

車両新価特約(オプション)

買い替えたばかりの新車が事故で大破してしまった。買ったばかりの新車なので修理はしないで買い替えて新車に乗りたい!という場合は、この「車両新価特約」を付帯されるといいでしょう。

契約されている自動車が全損になった場合、または修理費が新車車両価格相当額の半分以上になった場合に、実際にかかる自動車の再取得費用または修理費について新車価格の相当額を限度に保険金をお支払する特約です。

新車を購入された場合、付帯されることを是非、検討していただきたい特約です。ただし、1年以内に代替の自動車を再取得されるか、契約の自動車を修理された場合に限ります。

個人賠償責任特約(オプション)

次に「個人賠償責任特約」という特約について説明します。私は自動車保険にこの特約が付帯することができることになった時、画期的な特約が販売されることになったものだと思ったこと、今でも覚えています。

日本国内、国外を問わず(海外が対象かどうかは保険会社によって違うかもしれませんので確認してみてください)、

  • 記名被保険者
  • その配偶者またはこれらの方の同居の親族
  • 別居の未婚のお子さま

が日常生活における偶然な事故(自動車事故は除く)により、他人にケガなどをさせたり、他人の財物を壊したりした場合に、法律上の損害賠償責任の額について保険金をお支払する特約です。

要するに自動車事故以外で、第三者に法律上、賠償しなければならないという状況になった場合、個人賠償責任特約を付帯していれば保険金として請求することができるという特約です。

自動車事故であれば対人、対物賠償補償で第三者への賠償を保険でカバーできますが例えば自転車を運転中、歩行者をケガさせてしまったという場合、この特約を付帯していれば治療費など保険金としてお支払ができます。

しかも、示談交渉サービスがついているので相手方との面倒な示談交渉は保険会社が代行して行うので安心です。ただし日本国内で発生した事故に限ります。海外で発生した事故については示談交渉サービス対象外です。

この特約は自転車の事故をはじめとした日常生活の損害賠償責任を補償します。限度額については各社に確認してみてください。おそらく日本国内は無制限ですが、海外で発生した事故については限度があるはずです。(例:1億円)

自転車事故での高額賠償事故例については、数年前ニュース等でもとりあげられたことがありましたが覚えていらっしゃいますか?

自転車を運転中に歩行中の高齢者をはねて死亡させてしまったケースで損害賠償額は数千万円超だったと思います。個人でそれだけの金額を賠償するということになるとかなり厳しい金額ですよね。

また自転車の事故以外のちょっとした日常生活でも、この特約は役に立ちます。

例えば、

  • 散歩中、飼い犬が他人に噛みついてケガをさせてしまった
  • 水道の蛇口を閉め忘れてマンションの階下に水漏れを起こしてしまった
  • 買い物途中、店内に陳列してある高価な商品を落としてしまい破損させてしまった
  • 駐車中の自動車にボールをぶつけて窓ガラスを破損させてしまった」

などもこの特約で保険金としてお支払対象になります。

自動車保険で自動車事故とは関係のない賠償事例でも保険金としてお支払されるのですから安心ですよね。といいますのも、個人賠償責任を補償する単独の保険はないからです。一部、自転車保険という商品を販売している会社もあります。

また団体向けの自転車保険などがある場合もありますので各保険会社に確認してみてください。ですが、日常生活においてのリスクは自転車だけではありませんのでこちらの特約を付帯されると安心かと思います。

また、火災保険や積立火災保険などにオプションとして個人賠償責任特約を付保することもできる場合があります。

ただし、ペット保険の個人賠償責任保険のように、限度額が無制限でなく示談交渉サービスも付いてない場合もありますので、自動車を所有されているのであれば自動車保険にこの特約を付帯されるのがベストだと思います。

保険料も月々200円もかかりません。年間にして2,000円ほどです。また個人賠償責任特約のみの保険金請求であれば事故カウントもされませんので等級にも影響しません。

付帯される場合、ひとつ注意点があります。例えば自家用自動車を3台所有している場合、3台すべての自動車保険に個人賠償責任特約を付帯する必要はありません。いずれかの自動車1台に「個人賠償責任特約」を付帯することで補償されます。

万が一、3台ないしは2台にこの特約が付帯されていますと補償が完全重複しますので保険料を多く払いすぎていることになります。その場合は保険会社や代理店に連絡をして特約をはずしてもらいましょう。

もちろん、自動車保険と火災保険、両方にこの特約を付帯している場合も完全重複になりますのでその場合は火災保険の「個人賠償責任特約」をはずしてもらう手続きをしてください。

弁護士費用特約(オプション)

「弁護士費用特約」も販売されるようになってからこの特約の付帯はほぼ当たり前の傾向になってきています。どういうケースで使用する特約なのか?について具体例を出しながら説明したいと思います。

この特約は、自動車事故により被保険者がケガなどをされたり、自らの財物(自動車、家屋など)を壊されたりすることによって、相手方に法律上の損害賠償請求をするために支出された弁護士費用や弁護士などへの法律相談・書類作成費用などを保険金としてお支払する特約です。

弁護士費用特約を使う具体的な例

お客さま二輪車直進、相手方自動車右折。交差点内で接触事故が発生したとします。

お客さまの二輪車はかなりの損害が発生しましたが相手車はほぼ損害はない様子。相手は「交差点内の事故だからお互い様でしょう。お互いの車の損害はお互いそれぞれで修理することでよいのでは?」と主張され相手方の保険会社を教えてくれませんでした。

お客さまの二輪車には車両保険は付保されていません。お客さまは二輪車でしかも直進、相手は右折なのだから相手のほうが責任大きいと思われるのにバイクの修理代金を自己負担するのは納得できない。

ところがこのようなケース、お客さまが掛けている保険会社は相手と示談交渉はできないのです。

「えっ?自動車保険をかけていたら示談交渉サービスしてくれるのでは??」

と思われるかもしれませんが、相手側の損害がない(相手側からの請求がない)ということになりますと対人賠償でも対物賠償でも保険金としてお支払いするものが何もないのです。

保険金としてお支払いする(賠償する)ものがないのですから、保険会社は示談交渉をすることができません。もちろん保険会社への相談していただくことは大丈夫ですが、このようなケースで保険会社が相手方と交渉をすると逆に非弁行為とみなされてしまいます。

もし二輪車に車両保険が付帯されているのであれば、車両保険金限度内で損害額を先行払いし、その後保険会社にて相手方へ過失割合分を請求することができるのですが、このようなケースにおいてはお客さま側の保険では何もお支払することができないのです。

そうなると、泣き寝入りするしかないのでしょうか?ということになりますが、ここでこの「弁護士費用特約」を付帯していれば実は解決の道筋が見えてきます。このケース、実際に私の担当していた代理店さんから相談を受けた事例です。

幸いにもお客さまの自動車保険に「弁護士費用特約」が付帯されていたのです。この特約を発動することで、弁護士さんに相談し相手方に損害賠償請求するために必要な弁護士費用、書類作成使用の費用などにあてることができたのです。

相手方も弁護士から連絡を受けてあわてたのでしょう。ようやく相手方の保険会社へ連絡し保険会社同士での過失割合の交渉へ、そして解決へと進みました。

もしこの特約を付帯していなければ当然、弁護士費用はお客さま負担になりますし、お一人ではなかなか相手方の保険会社を引っ張りだすには困難だったのではないかと思います。

ちなみに保険金限度額はあるはずなので保険会社に確認してみてください。私が勤務していた保険会社の限度額は弁護士費用保険金が1事故1被保険者につき300万円限度、法律相談・書類作成費用保険金が1事故1被保険者につき10万円限度です。

ちなみに家族で自動車を3台所有していて、ご自身やご家族の方しか乗車されないということであればいずれかの自動車1台に「弁護士費用特約」を付帯することで補償されますので補償内容を見直される時に参考にしてください。

この場合の家族というのは、

  • ①記名被保険者、
  • ② ①の配偶者、
  • ③ ①または②の同居の親族 
  • ④ ①または②の別居の未婚のお子さまです。

ご家族以外の友人、知人、親戚が乗車されるということあれば自動車1台ごとに付帯されるといいでしょう。

この特約を付帯することでプラスされる保険料は月々250円程度で年間にすると約3,000円程度です。

具体的な事例がみられていいわねぇー。そうよ、弁護士費用特約もお金に余裕があったら付帯したほうがいいわよー。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は、自動車保険に付帯することができる主な特約についてご紹介させていただきました。

実際、せっかく付帯しているのにその特約の中身をよく理解していなくて(もしくは保険会社・代理店さんから説明もなくて)請求し忘れていた、請求することができるなんて知らなかった、というお話はよくききます。

今一度、ご自身が掛けられている自動車保険の証券の中身をよく確認いただき見直しされてみるといいと思います。

  • どんな特約を付保しているのか?
  • 重複して付保していないか?

等、確認してみてください。

特約を付帯されていれば特約欄という場所に特約の名称が表示されているはずです。付帯されていない特約があれば、ご自身のニーズに応じて付帯されることをご検討いただければと思いますし、付帯されているのであれば保険会社へ請求もれがありませんよう、自動車保険を十分に活用いただければと思います。

著者の情報

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日吉 浩之自動車保険の専門家
国内系大手損害保険会社でにて主に自動車販売会社の代理店営業を経験したのち、SBIホールディング社にて日本最大級の一括見積もりサイトの運営に従事。生損保約40社とのビジネスを介して、保険のダイレクトマーケティングを行ってきました。現在は株式会社プリモポストの代表取締役として、アニメーション動画(Youtube)を通じて保険をわかりやすく紹介する事業にも取り組んでいます。
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カテゴリー:専門家による記事,自動車保険